粕屋町での実証実験

粕屋町実証実験

『脳若トレーニング』の効果を科学的に裏付けるため、2013年、福岡県粕屋町にご協力いただき、大規模な実証実験を実施しました。
まず、粕屋町在住の65歳以上の高齢者5,800名に対し、町役場が送付する「チェックリスト」に同封し、プロジェクトへの「協力依頼チラシ」を配布。協力希望者約400名より、100名を無作為に抽出した後、「第1グループ」「第2グループ」の2群(各50名)に分け、脳若トレーニング(全9回)を実施しました。
トレーニング効果の有無や持続性を評価するため、トレーニングの前後では記憶力や自己効力感に関する測定を実施。さらに、参加者にアンケートを実施し、トレーニングに対する感想・評価を得ています。
また、トレーニング前後の効果の有無を測定するだけでなく、トレーニング終了後も効果が持続する事を確認するため、一定期間を経過した後に、効果測定を実施しました。

粕屋町での実証実験スケジュール

基礎データ収集に使用した尺度

厚生労働省発行の「認知症予防事業 効果評価実施マニュアル(平成24年度版)」を参考に、以下の尺度を採用し、各グループ3~4回の測定を行いました。また、トレーニングの感想・評価を得るため、参加者本人に加え、参加者の家族にもアンケートを実施しました。

長谷川式認知症スケール 認知症を判定するための簡易知能検査。
集団式松井単語記憶テスト 読み上げられた10個の単語を記憶する検査。
即時再生および遅延再生の能力を測定する。
山口漢字符号テスト 見本欄の漢字とそれに対する符号の組み合わせをもとに問題に回答する検査
自己効力達成指標 「生活維持の効力感(7項目)」と「生活活性化の効力感(9項目)」に関するアンケート
「集団式松井単語記憶テスト」について
読み上げられた10 個の単語を覚えながら聞き、読み終えたら用紙に1 分間で書き出し、これを合計4回繰り返します。これは「即時再生(即時記憶)」といい、極く短い時間で必要な言葉を覚えて思い出せるかをみるものです。また、幾つかの認知機能評価の後で、「先ほどの10 単語を、思い出して書いてください」と改めて思い出してもらいます。これは「遅延再生(近時記憶)」といい、ある一定の時間記憶しておき、それを思い出すことができるかをみるものです。
MCI(軽度認知症)が疑われる群について
今回のエビデンスプロジェクトでは、「長谷川式認知症スケール」で21~26点の群を「MCI(軽度認知症)が疑われる群」としています。

実験にご協力いただいた方の声

今回のエビデンスプロジェクトでは、トレーニング効果を実証するための基礎データ収集が最大の目的でしたが、副次効果もありました。3ヶ月間のトレーニングを通じて、参加者同士のつながりができ、新たなコミュニティが誕生。地域でイキイキ生活するシニアが増えるお手伝いができた事も、私たちの喜びです。参加された方々の、「ナマ」の声を是非お聴きください。

記念撮影
講座の最終日は、参加者の皆さまとコミュニケータで記念撮影。コミュニケータが着ているのは緑の『脳若Tシャツ』。参加者の皆さまも『脳若といえば緑』と記憶していただけたと思います。
仲良くなった参加者の皆さまは、この後も親交が続き、忘年会や新年会で盛り上がったとの事。
コミュニケータにもお声が掛かり、思い出話に花が咲きました。
参加者との記念撮影