受講生の声
夫婦の形
平成24年の夏、ご主人が九州大学病院の物忘れ外来で「軽度のアルツハイマー病」と診断されました。
それからというもの、ご主人を車に乗せて、町の開催する介護予防講座に積極的に参加する福本さんご夫婦にお話をお聞きしました。
この4年間、私たちなりに努力したと思います。
最初はどうなることかと正直お先真っ暗な気分でした。
ものすごくおとなしい、静かな性格の人だったんです。でも診断されてからというもの、怒りっぽいというかやはり不安な気持ちが、私に対して出てくるんですね。長い結婚生活ですもの。
ストレスはお互い、どうしても溜まりますよ(笑)。
家での会話も、夫婦だけだと、どうしても少なくなりますしね。けれども今年になって、病院の先生から「その調子!」と褒められ、認知症が進んでいないことに安堵しました。
3年ほど『脳若トレーニング』に通っていますが、お陰様で生活が変わりました。
楽しいからでしょうね、町の人気講座なんですよ。
申し込みの初日は8時59分に準備して電話をかけて夫婦で申し込みます。
殺到するから、わたしも必死なんですよ(笑)
――トレーニング中の様子はどんな感じでしょうか?
短期記憶のトレーニングも、はじめは3つくらいしか覚えられなかったのが、回を追うごとに6つは確実に覚えられるようになってきました。
『脳若トレーニング』で、次の1週間を提案する課題が出るのですが、例えば「次の1週間で赤いものを探して記入してきてください」って言われたら、散歩に出かけた時なんかに「赤いもの、何かないかしらねぇ」と誘導するようにしています。
課題を出されると、ふつうは気づかないこと、興味が沸かないことに、自然と興味が沸くようになるんですよ。不思議ですねぇ、この積み重ねが、生活を潤わせているんだと感じます。
インタビュー中に、ご主人の豊さんが発した言葉「わたしは家内に感謝している…」に驚かれた博子さん。
こんな言葉聞いたの、結婚して初めてかもしれない! と仰っておいででした。
家では口数も少なくほとんど喋らない豊さん。ときどき優しい目で奥様を眺めているお顔は、とても印象的でした。